2016年4月1日から電力自由化が始まって約1カ月が経ちましたが、皆さんのご家庭では変更しましたか?!
みんレポでは、4月7日から4月13日まで「電力自由化で何かしましたか?」というお題を上げていました。今回はその結果や他のSNSデータを元に、電力自由化について説明&ブンセキしていきたいと思います!
■そもそも「電力自由化」って?
「価格.comリサーチ」によると、
今までは特定の地域電力会社からしか電気を購入できませんでしたが、これからは一般家庭でも自由に電力会社を選べるようになります。
電力小売り事業者が電気料金プランを自由に設定できるようになるため、電気代の安さやサポートサービス、環境への配慮、ガスや通信とのセット販売、ポイントサービスなど、さまざまなメリットを付加したプランが提供されることが考えられます。
となっていいます。この「電力会社や料金メニューが自由に選択できるようになった」のが、2016年4月1日。そのための事前予約ができるようになったのが、2016年1月1日でした。
では、世間の人々はどのくらい電力自由化へ興味・関心があるのでしょうか?
Googleトレンドで検索数の推移を見てみましょう。
事前予約開始直後の2016年1月3日~9日をピークに、その後は緩やかに減少しています。自由化された2016年4月1日以降も減少傾向なのは、意外ですね。
■みんレポユーザの反応は?
みんレポユーザへのお題「電力自由化で何かしましたか?」のアンケート集計結果では、切り替えした人としない人との割合は、以下のようになりました。
全体の8割以上のユーザが「切り替えない」という結果に。
切り替えない理由としては、以下のようなものが挙げられました。
全体の約半分のユーザが「様子見」で、「何もしないで静観」「とりあえず現状維持」という意見が多く見られました。
■「切り替えない」という判断
では、「様子見」以外の切り替えない理由を、一つ一つ見ていきましょう。
①電気代が安くならない
新電力が参入することで競争原理が働き、電気代が安くなる・・・はずなのに、実際には安くならないケースもあります。
安くなるかならないかは、それぞれのご家庭の電気使用量やご契約内容によって異なってきますが、場合によっては乗り換えで逆に値上がりするケースもあるので注意が必要です。特に値上がりの可能性が高いのは「一人暮らし世帯」と「オール電化住宅」と言われています。
その理由として、以下の2点が挙げられます。
1)今までの日本の電気料金プランは、使う量に応じて単価が上がっていく「3段階制」を採用していました。この3段階制は、たくさん使うと割高になるように設定されています。(「新電力比較サイト」より)
新電力各社はここに注目して、これまで割高だった3段階制の一番上の料金単価(=赤の部分)を大きく引き下げることで、使用量の多い家庭の電気料金がこれまでよりお得になるようにしています。その一方で、一番下の料金単価(=青の部分)は元々割安であるため、新電力各社も料金の値下げにはなかなか踏み込めていません。
そのため、一人暮らし世帯のような一段階目の料金単価内で収まっているようなご家庭では、電気代が安くならない可能性が高いのです。
2)オール電化の家庭が利用している料金プランは、通常のプランよりも5~10%程度安く設定されています。(「新電力比較サイト」より)
新電力の多くは平均で5%程度の割引率なので、既にオール電化用の割引プランを利用されているご家庭では、乗り換えを行っても料金は変わらないか、高くなる可能性が高いです。
Twitterでも以下のような投稿が見られました。
電力自由化 シミュレーションした結果、自分の場合は年間数百円程度しか安くならないので現状維持決定。
— ヨッシ~♪ (@yosshy23) February 1, 2016
https://twitter.com/ooparts007/status/715467964573556736
中には、こんなもっともな投稿も。
電力自由化で電力安くなるとか言ってるけどテレビ止めてタブレットで見るとかLEDにするとか省エネ家電にした方が安くならない?
— 重低音岩石党aki ahonen (@runrunmenigge) January 7, 2016
一度電力会社からの検針票を確認して、ここはじっくりと検討したいところですね。
②電気をあまり使わない
こちらは、「①電気代が安くならない」の中の「今までの電気料金プランは、使う量に応じて単価が上がっていく3段階制」で説明した理由とほぼ同じになります。
では、どれくらいの金額・消費電力を目安にすればよいのでしょうか。
「新電力比較サイト」によると、ズバリ「30A未満の契約」「月々平均4000円未満」の2点を判断材料にして、このどちらかに当てはまる場合は、切り替えには特に注意が必要、とされています。
Twitterには、こんな投稿も見られました。
電力自由化って言っても、あまり電気使わない人には恩恵は無さそう。軽く試算してみたけど、月平均400kwh程度ならあまり変わらないかも。「様子?意気地なし!そうやって一生様子だけ見てればいいんだわ!」ってあながち間違ってない。
— 後安町ささみ (@goyasumachi) March 8, 2016
③既存電力会社への信用
みんレポのお題では、「何か有ったら困るので、今のままが良い」「親切で親身ある電力会社にした」といった投稿が見られました。
電気は生活インフラなので、企業への信用の有無は、消費者にとっては大切な要因なのかもしれないですね。新電力に変えたら、電気が来たりこなかったりするようになった・・・なんてことになったら一大事です。
でも、安心してください!「価格.com」の「わかりやすい!電力自由化」内の「電力自由化Q&A」では、以下のように書かれています。
Q:停電が増えたり、電気が不安定になったりしないの?
A:新電と契約した場合でも、電気を送る電線や設備は、これまで通り地域の電力会社のものが使われて、電気を家庭に届けます。そのため、万が一契約した新電力の発電量が不足した場合でも、地域の電力会社が不足分を補う仕組みのため、停電になったり供給が不安定になったりすることはありません。
トラブル防止策をしっかりと行った新電力への信用が増えていくと、今後消費者の判断も変わってくるかもしれないですね。
Twitterでは、こんな投稿が。
【ビジネス特集】来年4月に迫った電力小売りの全面自由化。しかし、圧倒的な規模の発電設備と顧客網を抱える大手電力会社と、新規参入企業の競争は、しばしば″象とアリの戦い″と例えられます。電力自由化で本当に競争は進むのか。https://t.co/DBh20EjMg6
— NHKニュース (@nhk_news) November 8, 2015
果たして、「アリ」が「象」に追いつき、追い越す日は来るのでしょうか?!
④引越すor賃貸だから
「価格.com」の「わかりやすい!電力自由化」内の「電力自由化Q&A」では、以下のように書かれています。
Q:マンション・アパートでも契約できるの?
A:マンションやアパートなどの場合でも、自由に契約をすることができます。ただし、管理組合等を通じてマンション全体で一括して契約している場合(高圧一括受電契約)は対応が異なるため、事前に管理組合等にご相談されるのがいいでしょう。
賃貸でも契約できるケースとできないケースがあるようなので、新電力への変更を少しでも考えている方は、一度確認してみると良いかもしれないですね。
⑤その他
その他の中には、「既存電力会社へ売電しているからそのまま」や「仕事上の都合で」といった投稿内容が見られました。
■どのぐらいの人が「切り替えた」?
では、実際にどのぐらいの人が切り替えをしているのでしょうか。
「毎日新聞」サイトの2016年4月29日の記事によると、以下のようになっています。
・大手電力会社からの切り替え件数は、2016年4月22日現在で74万4400件で、これは全国の対象契約件数の1.2%程度。
・その中でも、東京電力ホールディングスと関西電力管内の消費者が、全体の8割以上を占める。
・その激戦区の中で契約を伸ばすのが都市ガス。東京ガスは4月25日時点で、約28万件の契約申し込みがあった。大阪ガスは26日時点で12.5万件。
新電力の中でも、都市ガス系の企業が契約を伸ばしているようです!2017年度には、ガスの小売りの全面自由化も予定されているので、今後更に契約数が動く可能性がありそうです。
ちなみに、みんレポユーザの中で切り替えた方からは、「マンション全体で新電力へ変更した」「ENEOS電気に変更予定」「核エネルギーを使わず、出来るだけ環境に配慮した会社に変更した」といった投稿が見られました。
最後に、電力会社を切り替える時の流れを、簡単にご紹介しておきます。
1.切り替え先の電力会社への申し込み
※現在契約している電力会社への解約手続きは、消費者の同意に基づいて切り替え先の電力会社が手続きを行うことが可能です。
2.スマートメーターへの交換(スマートメーター未設置の方のみ)
※スマートメーターとは、通信機能を持ち、電気の使用量を遠隔で検針したり、30分ごとの使用量を計測したりできる新しい電気メーターです。
3.切り替え先の電力会社との契約開始
■まとめ
電力自由化についてはまだまだ様子見、というのが現状のようですね。今後も引き続き、各社の動向やSNSユーザからの投稿をウォッチして、ブンセキしていきたいと思いますのでお楽しみに!